最下のどうでもいい日常
皆さんは地域のお祭りなどに行かれるでしょうか。
私は仕事のせいか、日曜日になるといろいろなイベントがあるんだなぁと知るようになりました。
本日とある市役所にて小さな産業祭りがありました。そこで私は客としてではなくスタッフとして訪れました。
開始時間前、私は会場とは少し離れた場所で誘導看板を持って立っていました。車の通りもさほど多くはなく、特にすることもなくただ看板を持って立っていました。すると後ろの方から
「ねぇ、こっちであっているの?」
「わかんない。私地図読めないから」
と祭りの会場がわかりませんという雰囲気出しまくりで二人の女子高生がやってきました。
ちなみにですが私、女性恐怖症です。なのでとてもじゃないですが爽やかイケメンのように道を案内するようなことなんてできません。それに若くないし。おじさんだし顔キモいし。
なので私は道を聞かれないことを心の中で何度も願いながら制服を着た女子高生二人が私の後ろを通り過ぎるのを待ちました。
(頼む...道をわかってくれ........)
そう念じていたのが功を奏したのか彼女達は私の後ろを横切って行きました。ほっと、安堵した途端
「あ、スタッフの人いるから聞いてみようよ」
「あのすみません〇〇祭りの会場ってどこですか」
ちくしょうただ影薄すぎてわからなかっただけかよ
まぁ声をかけられてしまったのは仕方ない。きょどりながらもなんとか道を案内して彼女達は去って行きました。もう若い女の人とは目とか合わせられないです。
道案内を求められたのは彼女達だけではありません。今度はおばあちゃん二人が杖をつき、ゆっくりとした足取りでどっちに行けばいいのかと迷っています。さすがに自分よりも年上の年代だと大丈夫でなんとか道を教えることができました。しかし教えたにもかかわらず、少し歩くと再びおばあちゃん達がウロウロし始めました。
説明がわかりにくかったのか? と思っているとそこに一人のおじいちゃんが颯爽と自転車で現れておばあちゃん達に声をかけました。
「何? 道分からないの?」
「あーそうなのよ」
その返答を聞いておじいさんは頷きました。おばあちゃん達も頷きます。
そしておじいちゃんは何も言わず自転車をこぎ始めまた颯爽と去って行きました。
.......。
.................。
......え、何も言わないの? 道案内しないの?
そしておばあちゃん達も会場の道に沿ってゆっくりと歩いて行きました。
「え、何があったの。あの一度のやりとりでお互いが納得したの。マジか....マジかよ」
お年寄りは口にしなくてもテレパシーというか、長年の知恵で分かるのか。今日一番の謎でした。
また、お祭りが始まり会場前で案内を行っているといろいろなことを起こしてくれます。
「やーだ! じいじじゃなくてお母さんがいい!」
「こーら。ダメって言ってるでしょ」
何やら4、5人の子供を連れた団体のご家族がやってきました。母親と父親、そしてお爺ちゃんが付いており、一人の男の子が母親に泣きついて以上のような言い合いをしておりました。(おそらく)その男の子(仮にA)は母親と一緒に歩きたいらしい。しかし母親はAよりも小さな子を背負っており、手をつなげる状況ではありません。しかし、そんな状況にもかかわらずA は母親に泣きつきます。
「おーねーがーい! お母さんがいいのー」
「ダーメ。今お母さんB(小さい男の子)君背負っているんだから。お爺ちゃんと手繋いで」
その言葉に促されお爺ちゃんが手を差し伸べる。しかしAは首を横に振り母親に泣きつきます。
「いやだ! ねぇ、お願いだからー!」
そして姿が見えなくなるまでその男の子は母親に泣きついてお爺ちゃんを拒否り続けていました。
一体、彼とお爺ちゃんに何があったのか。おじいちゃん拒絶されすぎだろ。お爺ちゃん孫に拒否られて涙目になってたぞ。もうお爺ちゃんで我慢してやれよ、A君。
それ以外にもいろいろな出来事がありましたが長くなってしまうので割愛。
そして私が何より嬉しかったのは通行人の人たちとの挨拶の交わし合いでした。注意や案内が仕事でしたが来るお客さんに「おはようございます」「こんにちわ」と挨拶していました。するとお爺ちゃんお婆ちゃんが
「ご苦労様。休日なのに大変だね」
「どう? お祭り。人入ってきてる?」
と声をかけてくれるのことが、私には嬉しくて暖かかったです。本当にささいな会話かもしれませんがそうやって声をかけてくれて、短い一言二言を交わすというだけでも私にはとても嬉しい出来事でした。勿論会釈で返してくれた人たちの反応でも充分嬉しかったです。ただしリア充にだけは絶対挨拶しなかったがな